大学数学

大学数学の美しい方程式5選ーエンジニアの観点から見た場合

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[経歴]①国立大学工学部電気電子コースを早期卒業→②電験2種合格→③東京工業大学大学院工学院電気電子コースに進学→④電験1種と一陸技の取得を目指す

 

大学数学はマニアックな学問のイメージが強いかと思いますが、実際は工学部、理工学部、経済学部、薬学部など様々な専攻で習います。

私は工学科で電気電子を専攻しており、それなりに?大学数学に携わってきました。(電気電子は工学部の中では一番数学を使う分野として知られています。)

大学数学では、解析学、代数学、幾何学の3つが存在しますが、電気電子工学コースでは、特に応用性の高い解析学について深堀して勉強します。

 

私自身は、大学数学は嫌いではないですが、代数学や幾何学の参考書には抵抗があります。というのも、代数学や幾何学は工学系(情報・IT系を除く)ではあまり深く勉強しない科目であるからです。

以前、興味本位で「美しい方程式」に関する本を手に取って読んでみましたが、代数学や幾何学の公式を見た際に、一切の美的価値を見出すことはできませんでした。

理系でそこそこ数学を勉強している私ですらこの有様なので、一般の方が方程式に価値を見出すことなど到底無理です。

 

そこで、本記事では、実応用上価値があり、なおかつ私の主観による価値基準で判断した方程式を5つほど選んでみましたので、ご覧ください。

 

大学数学の美しい方程式5選

私が大学時代に出会った美しい方程式を5つほど紹介します。

1.オイラーの公式

$$e^{j\theta}=\cos \theta+\sin \theta \tag{1}$$

虚数単位は通常は\(i\)と表記しますが、電気の分野では電流\(i\)との混同を避けるため、\(i\)の次の\(j\)を虚数単位に用いています。

オイラーの公式は、電気科の人なら大学の初年次に習う基礎的な公式になります。これは、指数関数\(e^{x}\)と三角関数\(\sin \theta、\cos \theta\)をつなぐ重要な結果です。

図5.に記載してある通り、交流回路の解析に用いられます。また、電磁波工学では、マクスウェル方程式を簡略化して計算できる便利なツールになっています。

また、オイラーの公式は数学においては複素関数論の体系を組み立てる重要な結果であり、オイラーの公式無しでは理論が成り立たないとまで言われています。

初めてご覧になった方は、オイラーの公式がなぜ成立するのか気になるかと思います。

これは両辺にテイラー展開・マクローリン展開を適用してあげることで確かめられます。詳細は微分積分学の本を読んで勉強してみてください。

2.フーリエ級数展開

\(f(t) = f(t+T)\)を満たすTが存在し、\(\int_{-\infty}^{\infty} f(t)^2 < \infty\)を満たすならば、

$$f(t)=a_0+\sum_{n=1}^{\infty} a_n \cos \theta +b_n \sin \theta \tag{2}$$

これは要するに、絶対積分可能な周期関数は式(1)であらわされることが知られていますよ~♪という意味の数式になっています。これの何がすごいかというと、三角波(図6左)や矩形波(図6右)のような波形が正弦波の足し合わせで記述できる所です。

ある周期関数\(f(t)\)から、フーリエ係数\(a_0、a_n、b_n\)を求めることで、どんなに複雑で不連続な関数でも\(\sin \theta\)と\(\cos \theta\)の式で表せます。

また三角波を使えば、\(\zeta(2)\)(バーゼル問題)と\(\zeta(4)\)が、矩形波を使えばグレゴリー・ライプニッツ級数と\(\zeta(2)\)をそれぞれ求めることが可能です。

$$\zeta(2)=\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^2} =\frac{\pi^2}{6} $$

$$\zeta(4)=\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^4} = \frac{\pi^4}{90}$$

$$\frac{\pi}{4}=\sum_{n=1}^{\infty} \frac{(-1)^{n-1}}{2n-1}$$

電気回路的な面白さとしては、ダイオードなどの整流器を用いて直流から交流に変換すると、図6右のような方形波が出力されますが、本来は50 Hzで出したいのに、意図しない50 Hzの整数倍の電圧や電流が出てくるという側面を読み取れる。そんな数式になっております。

3.シュレーディンガー方程式

$$(\frac{\hbar^2}{2m} \nabla^2 +V) \Psi =i\hbar \frac{\partial \Psi}{\partial t}\tag{3}$$

\(\nabla\)はナブラと読み、ベクトル解析学で出てくる微分演算子です。\(\partial\)は偏微分の記号で、微分積分学に出てきます。\(\Psi\)は波動関数と呼ばれ、原子や分子レベルの大きさのものを扱う量子力学特有の概念になります。

これは量子力学におけるエネルギー保存の法則を意味しています。

エネルギー保存の法則自体は、力学、電磁気学、流体力学、熱力学にも出てきており、特に珍しいものではないです。

ただ、式(3)を見ていただくと右辺に虚数単位が紛れ込んでいて、これが量子力学の特徴を暗に示しています。

古典物理学では、原子や分子は粒子としてふるまっていたけれども、量子力学では波の性質も持ち合わせていますよ~♪というような主張になっています。

実空間では波は\(\cos \theta\)の動きをとりますが、オイラーの公式で波を\(e^{j\theta}\)とおくことで、計算を簡単にしているという事ですね。

更に、これは4変数\(x,y,z,t\)の偏微分方程式ですので、厳密に解くのは困難ですが、水素原子だけはシュレディンガー方程式の厳密解を求めることができるのがまた面白いですね!

4. ブラックショールズ方程式

$$\frac{\partial V}{\partial t}+\frac{\partial V}{\partial S}rS+\frac{1}{2}\frac{\partial^2 V}{\partial S^2}\sigma^2 S^2-rV=0\tag{4}$$

これは、ある金融商品(株式や国債などをまとめたポートフォリオ)の価格変動\(V(S,t)\)に関する偏微分方程式になります。

\(t\)は時間。\(S\)は株式の価格、\(r\)が元本が保証された資産(国債)の利回りです。

これはブラックショールズモデルと呼ばれるモデルから得られる方程式です。経済学のファイナンスや金融工学で登場する方程式ですね。

私も株式投資をやっていますが、ブラックショールズモデルについてはあまり深く理解していません。

ですが、これだけは覚えてください。資産\(V(S,t)\)は指数関数的に増大していきます。

有名な物理学者であるアインシュタインも、「複利は人類最大の発明」と評していることから、お金持ちになりたいなら複利を使わない手はないでしょう。

少し話がそれましたが、投資関係の数学も勉強してみると結構奥が深くて面白いですよ!

5.留数定理

曲線\(C\)内に\(n\)個の特異点を含む関数においては、

$$\oint_{C} f(z) dz=2\pi i \sum_{k=1}^{n} Res(f(z);a_k)\tag{5}$$

複素関数論で一番役に立った公式です。また、逆ラプラス変換や逆Z変換の導出でお世話になった式です。

留数定理は、積分を複素数に拡張すると、計算が簡単になることを示唆しています。

式(5)からは読み取れませんが、左辺の複雑な積分が右辺のような留数と呼ばれる値の足し合わせに置き換わります。

積分が足し算に、これはすごく革命的な公式だとは思いませんか?

まとめ

ここまで、記事をご覧くださり誠にありがとうございます。

最後に私の好きな方程式を5つほど紹介しましたが、理系クラスターでは1、2、3、5番目の方程式を使った学問について掘り下げて勉強をしていきます。

難関国家試験を受験するには一見遠回りかもしれませんが、これらの公式への理解が知識の定着化に結び付いてきます。

理数クラスターに興味を持たれた方は、私のTwitterのDM(ダイレクトメール)か当サイトのお問い合わせフォームにて連絡いただけると励みになります。

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